・講座名 : 芳樟について知ろう・学ぼう / 第26回シビックカフェ
・開催日 : 2018年12月1日(土) / 開聞山麓香料園


今回の香りの講座は、講師の先生による芳樟についてのお話と、実際にハーブ園内を散策するフィールドワークを行いました。12名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。

今回の講師の吉本先生には、4年程前から芳樟精油の香りの効果についての研究を依頼しており、学会発表もして下さっています。芳樟の香りを嗅いだ時、どのような効果があるのかというとても興味深い内容で、参加された皆さんも真剣なまなざしてお話を聞いてくださいました。また、現在研究中の香りについてのお話もあり、これは来年学会発表される予定とのことで、一足先にお披露目して下さいました。

お話の中では芳樟のことだけでなく、香りと脳と健康に関連するもの、各香り成分の説明、焼酎の香りとの関連性など盛りだくさんで、たいへん聞きごたえのある内容でした。

後半は、実際に芳樟の木を見ながら香りを嗅いだり、植物に触れたりしながら園内を散策し、香り作りは土作りからということを知って頂きました。最後は工場内を見学し、採ったばかりの芳樟の精油の香りと、1年前のものとを嗅ぎ比べして頂きました。採れたては独特の青みがかった香りがしますが、1年経つと芳樟本来の芳醇な香りになります。この香りの違いにもみなさんたいへん驚かれていました。香りって不思議なものですね。

今から70年前、台湾から導入された芳樟の種子はこの鹿児島・開聞の地で広がり、その精油は世界へ届けられていました。しかし合成香料の隆盛と共に芳樟はその存在すら忘れ去られました。それまで盛んに行われていた芳樟の研究も続けられることなく終わりました。そんな歴史に埋もれてしまいそうだった芳樟が、健康をキーワードに少しずつ注目されるようになってきました。芳樟の香りが人の健康に役立つ日もそう遠くないように思います。

次回のシビックカフェ・香りの講座は、昨年大好評だったミツロウクリーム作りを開催します。貴重な指宿産ニホンミツバチのミツロウを使ったクリームです。1月下旬~2月上旬を予定しています。年内には日程が確定しますので、詳細発表までいましばらくお待ちくださいませ。

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